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2020年5月21日、東京高等検察庁の検事長が辞表を提出するというニュースが日本中を駆けめぐりました。新型コロナウイルス禍に伴い外出自粛要請が出されていた最中にあって、新聞記者と賭け麻雀をしていたという辞任の理由もさることながら、その人物が時の政権と非常に近い関係にあるのではないかとの報道が以前からなされていたことから、このニュースは非常に大きな関心をもって受け止められました。

それと同時に人々の注意を引いたのが、その役職名です。検事と言えば、犯罪捜査などを指揮する人物としてテレビドラマなどでもおなじみの職種であり、そのトップに位置するのが検事総長と呼ばれているというのは比較的よく知られています。では、この検事長検事総長はどのように違うのでしょうか。

我が国においては、犯罪捜査の指揮を行ったり容疑者を起訴したりする役目を担う公務員のことを検察官といいます。検察官は1人1人が独自に権力を行使できる独任官ですが、身分上は検察庁と呼ばれる組織に属します。この検察庁は最高検察庁をトップにピラミッド型の組織となっており、それぞれが裁判所の組織に対応しています。具体的には、最高裁判所に対応するのが最高検察庁、高等裁判所に対応するのが高等検察庁、地方裁判所及び家庭裁判所に対応するのが地方検察庁、そして簡易裁判所に対応するのが区検察庁です。
検事総長は、このうち最高検察庁に属する検察官のうちの最上位に位置し、検察官の頂点にいる人物です。内閣によって任命され、全国すべての検察庁職員の指揮監督権を有します。

これに対して検事長は、全国に8つある高等検察庁におけるトップに位置します。
やはり任免権は内閣にあり、それぞれが所属する庁内を掌握すると同時に、管轄区域内にある地方検察庁及び区検察庁に対する指揮監督権を有します。つまり民間企業にたとえると、検事総長が本社の社長であるとするなら検事長は全国各地の支社長ということになります。
ちなみのその下に位置する地方検察庁、すなわち民間企業で言えば地方支社が管轄する営業所に当たる組織のトップは、検事正といいます。
なお、最高検察庁においては検事総長の下に次長検事と呼ばれる職名があり、総長を補佐する役割を担っています。
ただし現状では、総長が退職した時は次長検事ではなく東京高等検察庁の検事長が総長に昇格するのが慣例となっています。したがって今回の一件は、検察庁における事実上のナンバー2がスキャンダルによって辞職したことになります。